～空き家売却～　放置はキケン⁉

不動産の売却を検討する方の中には、離婚や相続による財産分与などで、できるだけ早く現金化して分割したい、急いで資金が必要、という方もいらっしゃると思います。そういった場合は、不動産の売却にはあまり時間がかけられないでしょう。仲介で空き家の売却をする場合は成約まで一般的に「3か月～半年」ほどであるのに対し、業者買取では買主を探す必要がない為、最短1週間以内で売買契約の締結→1か月後には残代金の決済までを完了というスケジュールが実現可能です。その為、少しでも早く不動産（空き家）を現金化したいという方には業者買取がおすすめと言えるでしょう。

仲介でエンド向けに売却活動をする際は、実際に購入検討者が現地や室内の内見に来たりします。その際、生活感満載の室内や掃除されていないままだと、どうしても購入検討者の購買意欲が下がってしまいます。その為、購入検討者の内見に備えて売主様が清掃や修繕を行ったりするのが一般的です。反対に業者買取では、買い取った後にリフォームなどをする前提で不動産会社が現地調査に来るので掃除などをして見栄えをよくする必要はございません。仕事や育児が忙しく内見時に立ち会えない、掃除する時間がない、空き家となっている不動産が遠方にあり行きにくいなどの理由で売却活動に労力をかけられない方には業者買取による売却方法に魅力を感じる方もいるでしょう。

築年数が一定期間経っている不動産を売却する際、一般的に仲介では「古家（ふるや）付き売地」として販売していきます。古家付き売地とは、建物そのものには価値がないものとし、古家がある土地として売り出すことです。こういった物件の場合は、土地を探してる・リフォーム前提で物件を探してる買主様が主なターゲットとなります。

しかしこういったケースでは、買主様が購入後に更地にするための解体費用や、リフォームをする際の費用が買主負担となるため、築浅でそのまま住める物件や初めから更地の物件より買い手が付きにくくなります。そうすると、仲介では売却が難しかったり、成約までに時間がかかったりするでしょう。

空き家の業者買取であれば、解体やリノベーションは購入後に買い取った業者が行うため、そのままの状態（現況）で時間をかけずに売却できる可能性があります。ただ不動産の種類や状況によっては買取業者でも買い取ってもらえない場合もあるので、まずは不動産会社に一度相談してみましょう。

不動産は高額な取引となるケースが多く、売って終わりとはなりません。引き渡し後に契約書に記載されていなかった瑕疵（かし）が発覚した際、売主はその責任を負わなければなりません。「瑕疵」とは、構造上重要な柱の欠陥やシロアリ被害といった物件に見られる何らかの不具合や欠陥のことを言います。これらの責任を負うことを「契約不適合責任」と言います。

実際に引渡し後に契約不適合責任が認められた場合は、それらの修繕にかかる費用や損害賠償などを請求されることがあります。しかし、業者買取の場合、契約不適合責任自体を「免責」にしてもらえる場合が多くあるため、文字通り売って終わりにできます。契約前に不動産会社に確認してみましょう。

人が住んでいない家屋は、締め切ったままで湿気がたまり木材が腐食したり、劣化自体の発見や対応が遅れてしまったりします。雨漏りなども早期に気づけば対処できますがそのままになるとどんどん範囲が広がっていきます。このように空き家の状態が続くと人が住んでいる家に比べて、劣化が早く進んでしまいます。

空き家をそのまま手入れせずに放置しておくとシロアリやネズミなどの害虫・害獣がすみついたり、ゴミの不法投棄の被害に遭ったりと、衛生面での悪化が加速する可能性があります。また、空き家では不法占拠や放火に巻き込まれるなど、近隣の住宅にも被害を及ぼし、トラブルになるケースも実際にあります。

近隣にも被害が及ぶほど空き家の管理・維持がされていない場合、行政から「特定空家」「管理不全空家」に指定されてしまい、「住宅用地の軽減措置」という、小規模住宅地の固定資産税評価額が1/6に軽減される特例も受けられなくなります。このような税制上の優遇が受けられなくなると固定資産税の費用負担が増えてしまうため、使用していない空き家はできるだけ早めに対処することをおすすめします。